こんにちは、福岡市の公認会計士・税理士です。今日はeBayなどの輸出ビジネスをする場合には課税事業者になるべきか?という話をします。
消費税の計算の仕組み
まずは、消費税の納付に関する仕組みのおさらいです。ざっくり理解頂きたいのが、消費税は「お客さんから預かった消費税-お客さんに支払った消費税額」で計算されるという点です。
例えば、皆さんが国内でビジネスをしていると想像してください。
①仕入先から100円で買ったものを、②得意先へ300円で売却します。
まず、①の時に仕入先に消費税を10円(100円×10%)払いますね。次に②で得意先から30円(300円×10%)の消費税を貰います。
この場合、あなたの手元には20円(30円-10円)の消費税が残ることになります。
そしてあなたはこの20円を納税します、そして手元に残るのは200円。これが消費税のざっくりした流れです。
では免税事業者ではどうでしょうか?皆さんの中には消費税を納税する義務のない方、つまり免税事業者もいらっしゃいますよね。
免税事業者に該当する要件について今回の記事では割愛しますが、結論を言ってしまうと、免税事業者の場合には、手元の20円を納税する義務が免除されます。つまり、課税事業者に比べて20円得したと考えていいでしょう。
免税事業者は常にお得?
さっきの話だと、免税事業者はいいことだらけに感じますが、常にいいことだけということではありません。
輸出ビジネスをする人にとっては不利になることもあります。簡単に計算してみましょう。
まず、①の時に仕入先に消費税を10円(100円×10%)払います。これはさっきと同じです。
次に②で得意先からもらう額には消費税が課税されません。なので、お客さんから300円貰うだけになります
(厳密には、輸出免税を受けるための要件が細かくありますが、それは今後記事にしていきたいと思います)
その結果、免税事業者である皆さんの手元には300円-110円=190円が手元に残ることになります。
では、もし課税事業者だったらどうでしょうか?
冒頭で記載した通り、消費税の計算は「お客さんから預かった消費税0円-お客さんに支払った消費税額10円→▲10円」になります。
▲10円というのはどういう意味かと言うと、「10円返してくれますよ」という意味なのです。
つまり、免税事業者だったら手元に190円しか残らないのですが、課税事業者になると200円(190円+還付金10円)が手元に残るということです。
なので、輸出を専門にする事業者の方は、課税事業者になって消費税の還付を受けようとするんですね。
課税期間を短縮して資金繰りを良くしよう
輸出ビジネスの収益源は手数料です。売上が大きくなればなるほど手数料も大きくなりますよね。このため、売上のボリュームをあげることが成功への重要なポイントになります。一方で、仕入先から商品を買うためのお金が足りない…そんなときに還付金を受けるタイミングを早めるという方法があります。
どういうことかと言うと、通常、消費税は1年間の単位で計算するのですが、この期間を1ヶ月や3ヶ月に短縮することができるのです。つまり、還付金を早めに受け取ることができる→その還付金で商品を購入し売上を増加させる、という資金調達に似たメリットをうけることができるのです。
まとめ
今日は輸出ビジネスを扱う事業者と消費税に関する記事でした。
今後は、どうすれば課税事業者になれるのか?消費税の還付を早めに受け取れるのか?といった記事を書いていきたいと思います。
当事務所では、福岡に限らず、九州、全国で海外とつながる皆様のお手伝いをさせて頂ければと思いますので、ぜひお気軽にご連絡下さい。
それでは次回の記事でお会いしましょう!